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ブログ/2013-05-17

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石見銀山・仙ノ山

写真-1 銀山川から噴出するガス(CO2おそらく).jpg
写真-1

ミーアキャットです。
 4月30日,『石見銀山地質研究会』の石見銀山・仙ノ山トレッキングに参加しました。週間天気予報では雨で,この日深夜は降っていましたが,早朝には上がりました。
 石見銀山公園に9時集合,総勢28人で仙ノ山(標高537m)を目指しました。仙ノ山は,神屋寿禎が日本海から光る山を見つけたとの伝説で有名な山ですね。
講師は島根県立三瓶自然館サヒメルのN先生です。

 銀山川では川床からガス(おそらく二酸化炭素とのこと)が間欠的に吹き出しています(写真-1)。N先生からマグマが近いことを示唆されました。

 第436間歩という,断層破砕帯に伴う熱水鉱脈鉱床の間歩がありました(写真-2)。写真中央の左上から右下に断層破砕帯が走り,この破砕帯を追いかけて採掘しているそうです。

写真-2 第436間歩。断層は歳帯に伴う熱水鉱脈鉱床の間歩.jpg
写真-2

 石見銀山には600箇所を超える間歩があるそうですが,公開されている龍源寺間歩に入りました(写真-3~4)。母岩はデイサイトで,龍源寺間歩のある通称『永久鉱床』は熱水鉱脈型鉱床と言われています。坑道の一部に,黒くて薄い銀鉱脈が残っていると説明があり,見せてもらいました(写真-5)。

写真-3 龍源寺間歩入り口.jpg
写真-3

写真-4 龍源寺間歩(デイサイト).jpg
写真-4

写真-5 龍源寺間歩内に薄く残る銀鉱脈.jpg
写真-5

 仙ノ山頂上への登山道は結構急勾配でありました(写真-6)。頂上は平坦で,かつて『石銀(いしがね)集落』というのがあり,発掘調査の結果,江戸時代初期には,建物が建ち並び,銀の採掘や精錬をして暮らしていたそうです(写真-7)。碁石,煙管(キセル),下駄なども出土したそうです。ここで30分間昼食でした。

写真-6 仙ノ山の登山道.jpg
写真-6

写真-7 仙ノ山頂上・石銀集落跡.jpg
写真-7

 頂上付近には,通称『福石鉱床』の露天掘りの跡が残されており,大きく凹地となっています(写真-8)。周囲の岩石は,水酸化鉄で焼けて赤褐色を呈していました(写真-9)。

写真-8 仙ノ山頂上・露天掘り跡.jpg
写真-8

写真-9 水酸化鉄により焼けている.jpg
写真-9

 下山途中で,後期鮮新世~更新世(300~100万年前)の,未固結の都野津(つのづ)層の軟らかい砂岩が,マンガンや鉄を含む熱水の鉱化作用のため硬い岩石になっている露頭がありました。真っ黒です(写真-10)。

写真-10 都野津層の軟らかい砂岩にMnを含む熱水が入り鉱化作用の結果,硬い石になっている.jpg
写真-10

 仙ノ山展望台からは,
 ・北東に大森の集落 (写真-11~12)
 ・北西に要害山(標高414m)の矢吹城跡(かつて尼子氏と毛利氏が石見銀山の争奪合戦を
  したという山城跡) (写真-13)
 ・はるか東北東に国立公園三瓶山(標高1,126m) (写真-14~15)が見えました。

写真-11 仙ノ山展望台から大森集落を望む.jpg
写真-11

写真-12 仙ノ山展望台から大森集落を望む.jpg
写真-12

写真-13 仙ノ山展望台から矢吹山城跡を望む.jpg
写真-13

写真-14 仙ノ山展望台から三瓶山を望む.jpg
写真-14

写真-15 仙ノ山展望台から三瓶山を望む.jpg
写真-15

 『三瓶山は,いまも火口からガスが出ていますか』と尋ねましたら,『出ています』。では『休火山ではないんですね』と聞きましたら,『活火山です。ただ,いまは休火山とか死火山とかの語句は使用しません』 『いつから,そうなったのですか』 『20数年前にはなっていましたよ』・・・私の知識は半世紀前のもので,すっかり化石人間になっていることを実感しました。『火山の種類には,"火山"と"活火山"しかありません。火山というのは第三紀以降の山に使う語句ですね』・・・またまた,私にとって新知見(?)でした。

 途中で一見断層あるいは地すべりのような傾斜した粘土が,地層を切っているように見える露頭がありました(写真-16)。今話題の活断層?  ところが,灰色と褐色の数㎝間隔の縞模様は,雨水の染みこみによって出来た模様であって,地層面ではなく,本来の地層面は粘土の傾斜している面だと教えてもらいました。堆積物の粒径を比較・観察すれば,分かると。

写真-16 地層と雨水による模様の説明(斜めが本当の地層面)模様は数㎝間隔.jpg
写真-16

 出発時のペースでは,今日中に帰ってこれるかどうかと,ジョークも出ていましたが,石見銀山公園への帰着は予定通り15時。約5時間半のトレッキングでした。平生の横着がたたり,腰が痛いです(笑)。

 ところで,仙ノ山登山途中で『エンレイソウ』という植物を会員さんから教えてもらいました(写真-17)。これを見ると,幸せになれるのだそうです。理由を聞くのは忘れました・・・おまけです。

写真-17 エンレイソウ.jpg
写真-17



コメント

  • アラ還ですから、ちょっと見は苔むした化石人間でしょうが、心のマグマはいまだ固結せずですね。あの急坂を登りきる根性はたいしたものです。 -- ヌシです 2013-05-17 (金) 18:16:24
  • 三瓶山が活火山に組み入れられたのは平成15年、この年に火山の定義が大きく変更されたのですから、20数年も前ではありませんー化石人間には当てはまりませんーまだ多くの人が死火山の言葉を使っているのでは?NHK文化センターの私の講座で話したことがあるのですが、受講されておられたのでは?勉強意欲のすごさに敬服。「シルクロードにサンゴ礁を探して」が完成・出版。仙石庭園の完成オープンの記念行事が5月19日に開かれますー近いうちに日本地質学会のNews誌に紹介記事が載ります。
    -- O顧問 2013-05-17 (金) 20:38:46
  • O顧問さま,貴重なコメントをありがとうございます。NHK文化センター,中国新聞文化センターと先生の講座を受けまして,戴いた資料が厚いファイル5冊になりました。寄る年波には勝てず,一個聞くと,一個忘れて,とても覚え切れておりませんでした。おわび申し上げます。まだ,化石にまではなっていませんですか(笑)。先生の本の出版を楽しみにしています。 -- ミーアキャットです。 2013-05-17 (金) 21:13:55

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