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神楽

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ミーアキャットです。
 先日,花田植が終わった後,引き続いて神楽が行われました。神楽といえば子どもの頃は,秋祭りの風物詩で,1年に1回の楽しみでした。あらかた,秋の取り入れが終わった後,神楽団の方が神社で練習するときの太鼓の音が,夜空に消えつ戻りつ流れてくると,秋祭りの神楽を待ち望んだものです。『舞を舞う(まいをまう)』という言葉が何とも懐かしい響きです。身体にしみこんだ太鼓のあの調子を耳にすると,心が沸き立ち,つま先が自然に動き,手では調子に合わせて何かをたたいてしまいます。

 ところで,今や神楽は正月元旦から1年中舞われていますので,見ようと思えばいつでも見ることができますね。
 この日の演目は『塵倫(じんりん)』でした。すさまじい形相の鬼が三匹出るので,迫力満点ですね。この『塵倫』は,元は六調子と言われる比較的ゆっくりしたテンポの『旧舞』で舞われることが多かったと思いますが,この日はアップテンポでしたから,八調子という『新舞』バージョンのような気がしました。
 二人の武士も凜々しい青年,大太鼓・小太鼓・手打鉦・笛も青年達ですから,きっと鬼もその勇壮な舞方からして若い青年と思われます。本来なら,動画で紹介したいところですが,そうも行きませんので,連続写真で見ていただきたいと思います。

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写真14

 私が子どもの頃は,秋祭りの日に,神社の神楽殿で薄暗くなってから始まり,夜明けまで舞われていたものです(おそらく10時間くらい)。夜はかなり冷えこむ時候でしたから,敷いてあるムシロの上に,座布団や毛布あるいは布団まで持参する方もおられました。観客席で一杯飲んで,堪らず太鼓の調子に合わせて舞い始める人もよく見ました。1演目の長さは,現在のような40分位ではなくて,1時間以上は十分かかっていたように記憶しています。
 急ごしらえの舞手の方が,花道で別の演目の口上を言いかけて急遽やり直したり,花道で口上を忘れて,あせればあせるほど台詞が出てこなくなって凍り付き,とうとう赤面して,観客席から『がんばれー』と励ましの声が飛んだり・・・。団員は限られた人数でしたから,舞手と楽奏を代わり番子に行われていました。それにしても,一晩中,よく体力が続いたものだと思います。
 昔は,お面をかぶって言う台詞は,中にこもってほとんど聞きとれませんでしたが,今やワイヤレスマイクで鮮明に聞こえるようになりました。
 最近の神楽団の方は,ほんとに上手ですね。ほとんどプロフェッショナルという感じです。いろいろな演出も加わって,ハラハラドキドキ,とても面白くなりました。
 その中には思いがけないフアンサービスもいろいろ考案されて,笑を誘われます。この日は,三匹の鬼の最後の大鬼が切られて,割幕(わりまく)が開き,上段(じょうだん)に倒れ込んで(写真-14),割幕はいったん閉じられました。これで,『ああら,うれしやのう・・・』と”喜びの舞”へ一段落と思いきや,団員仲間が倒れた大鬼を舞台へ押し戻しました。鬼の華麗で激しい舞の熱演ぶりに拍手喝采が多かったので,アンコールでもう一度舞ってこいというのです。切られたはずの鬼が生き返って,再度フラフラになるまで舞われました。その舞っぷりは,感動でした。

 神楽の後,餅まきがありました。私は拾えなかったのですが,山ほど拾った小学生グループに『ひとつくれる?』とジョークで言ってみましたら,ほんとにひとつ投げてくれました。花田植にも出ていた優しい子供達でした。

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写真15 小学生が投げてくれた餅



コメント

  • 安佐町鈴張在住のボスケと申します。このブログをいつも拝見させて頂いています。
    7年余前にこの地に引っ越して来て以来、秋祭りの前夜に神社の境内で行われる神楽を何度か見物しました。その度にひと昔前にタイムスリップしたような不思議な感動をおぼえました。ミーアキャットさんの子どもの頃の回想は臨場感溢れていて、その当時の状況がよく理解できました。トッブの鬼の絵も神楽の写真も迫力があって素晴らしいですね。ありがとうございます。 -- ボスケ 2013-06-06 (木) 14:25:02
  • ボスケさん、いつも見ていただいているそうで、ありがとうございます。
    これからも、よろしくお願いします。以前、O顧問や私たちがお邪魔したお宅のお庭での爽やかなひと時、忘れられませんね。 -- ヌシです 2013-06-06 (木) 15:25:40
  • 先日、石川県のS氏から広島の神楽を見に行きたいので案内願いたいと頼まれましたで~。神楽キチ病が全国に蔓延しちょるようですの~。 -- 重症のかやネズミでがんす。 2013-06-06 (木) 15:57:37
  • ミーアキャットさんの絵、オオサンショウウオの調査時のブログから今まで、続けて拝見させていただいていますが、何ともいえぬ味わいがありますね。「みんなの広場」にでも集めて、掲載されてはいかがですか?
    -- ヌシです 2013-06-06 (木) 16:45:49
  • 先輩のボスケさま,身に余るコメントをいただきまして,ありがとうございます。"雀百まで・・・"とか言いますが,神楽の太鼓の音色は身にしみこんでいます。記憶にない幼い頃にも,親の膝で聞いていたのかも知れませんね。ただの勧善懲悪のストーリーのように見えるのですが,あの舞と一体化した奏楽の変調,姫から鬼へ変わるときの妖気漂う微妙な動き,羅生門の乳母から鬼への早変わり,悪狐伝の珍斉和尚の掃き掃除や味噌すりなど,どれを取っても魅力いっぱいですね。一気に心が子どもの頃にタイムスリップするのかも知れません。
    時に神楽の楽屋裏を拝見しますと,鬼を舞った方は,舞終わった後,数分間息があがって立ち上がれず,横になったままで仲間に衣装を脱がせてもらっていました。その一生懸命さが分かるだけに,今回のアンコールにも一層感動しました。
    ボスケさんの連日のブログ更新,感服しています。今後とも,どうぞ宜しくお願いします。 -- ミーアキャットです。 2013-06-06 (木) 16:46:28
  • はじめまして。今日、ボスケさんからあの花田植え&神楽のお話しを聴きました。そして、つながりがあることを発見しました。
    餅まきの子ども・・・どうやらうちの長男のようです。私(早乙女)、次女(中1・・小太鼓)、長男(小5・・・鐘)の3人で、昨年より、花田植えに参加しています。
    神楽の後に、餅まきで餅を頂き、さあ、花田植えの打ち上げ会場に向かおうとするとき、長男がどなたか存じ上げない方にお持ちをあげていたような…。
    あのお餅は、花田植えの保存会の方たちとともに、前日早朝よりわがやのこどもたちもいっしょに、4斗のもち米を蒸し、まるめた餅です。
    よろこんでいただける方がいらっしゃって子どもたちと喜んでいます。
    また、来年もいらっしゃってくださいね。 -- ありのまま 2013-06-07 (金) 20:57:52
  • いゃあ~,びっくりしました。ありのままさま,ご本人からコメントを戴けるとは,びっくり仰天です。しかもお餅を作られたご家族とは,またまた驚きました。優しいお子様ですね。お餅は,お子様方のお顔を思い出しながら特別な思いで戴きました。重ね重ねありがとうございました。来年も是非見に行かせてください。郷里からの暖かいコメント,感謝申し上げます。お子様にもどうぞ宜しくお伝えください。 -- ミーアキャットです。 2013-06-07 (金) 22:04:36

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