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ブログ/2013-07-02

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2013年度第2回のオオサンショウウオ夜間調査

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写真-1 Tさん宅の庭で作業開始前のミーティング

ミーアキャットです。
 6月28日19時,いつものように『オオサンショウウオの生息地を守る会』代表のTさん宅に集合。今回は広島大学の学生さんが十数人参加されました。
 自然研会長から,学生さんに№44会報のオオサンショウウオ特集編別刷りが配布されました(写真-2~3)。

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写真-2 会報の別刷りを学生さんに配布

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写真-3 早速見られている学生さん

 また,昨年度,東広島市の地域課題研究懸賞論文で最優秀賞に輝かれた山﨑さんの論文『東広島市豊栄町に生息する国の特別天然記念物オオサンショウウオの保全に向けた実践的研究』のコピーも全員に渡されました(写真-4)。
写真-4 山﨑さんの論文も配る.jpg
写真-4 山﨑さんの論文も配布

 会長やTさんから,最近の長雨で増水しているので,この冬泳いだ人の真似をしないように,またマムシに十分注意するようにとお話がありました。
 今回の調査は3区間からなるかなり長い距離を,2班に分かれて行いましたが,私は第3区間(715m)と第4区間(305m)の地上班を担当しました。川はとても増水しており,しかも背丈より高いアシの中を縫うようにして遡る水中班は,とても大変そうでした。
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写真-5 アシを縫って探索中

 しばらくすると,早速泳がれた方がいました。水深が腰当たりまであったようです(写真-6)。新品の胴長が破れ・・・。
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写真-6 泳ぎました。『寒かったですか』『いや暑いです』

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写真-7 懐中電灯で目を凝らして探索中

 今回から新たにトランシーバーが導入され,別の班とも連絡を取り合っていたのですが,両班ともまだ見つかりません。今日は増水しているので,ダメかな,いやいやそれでもいつもラッキーボーイやラッキーガールはいると,ファイト満々の広島大学のS先生。しばらくすると,S先生が肉眼で発見されましたが,あっという間に行方不明。水中では結構動きが速いそうです。それから,およそ20分くらい,4人で発見場所周囲の探索が続けられました(写真-8)。

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写真-8 範囲を絞って探索中

 そして,とうとう発見しました。すくった人達は安堵の表情(写真-9)。『今日もやはり,見つかったね!』
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写真-9 とうとう,すくいました

 よく太ったオオサンショウウオです。驚いたことに10㎝弱のカワムツを食事中でした(写真-10~11)。カワムツはまだ生きていました。食事中,お邪魔してごめんなさいね。
写真-10 オオサンショウウオ(体長68.0㎝,体重2.3㎏).jpg
写真-10 オオサンショウウオとカワムツ

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写真-11 カワムツが口から出ました

 さらに遡っていると,真っ暗闇の中で東広島市教委のIさんが,なんとゴム堰のすぐ下流にいるオオサンショウウオを,地上からの懐中電灯で発見されました(写真-12)。これにはビックリしました。Iさんの視力はすごいですね。
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写真-12 地上から発見し,水中班かけつける

 すぐにS先生の指導で学生さんが上下流から接近し,約10分ですくい上げました(写真-13~14)。
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写真-13 上下流からそろそろと接近

写真-14 すくった!.jpg
写真-14 すくいました

写真-15 オオサンショウウオ(体長70.0㎝,体重2.7㎏).jpg
写真-15

 つぎの第4区間では,またS先生が発見されましたが,深いところでは腰まで水があって分からなくなりました(写真-16)。
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写真-16 見えなくなりました

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写真-17 再びは,見つかりませんでした

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写真-18 途中にあった花です(intermission)

 別班の方は結局見つからず,今夜は2匹です。両班が合流して観察会が始まりました(写真-19)。
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写真-19 観察会

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写真-20 2匹ともよく太っています

 まず,マイクロチップ読み取り器をかざして,すでにチップが入っている個体かどうかが確認されました(写真-21)。そうしたところ,今夜の2個体にはいずれもチップが入っていない新個体であることが分かりました。
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写真-21 マイクロチップ読み取り器をかざす

 新個体のため,身体の特徴(模様,指の状況,傷の有無,尾のギザギザなど)を観察し,記録します(写真-22~23)。特徴ある部位は全部写真に記録されます。
写真-22 新個体の観察記録.jpg
写真-22 観察記録用紙に記入中

写真-23 尾のノコギリ状の形の確認.jpg
写真-23 尾の形状の観察・写真撮影

 続いて,体重測定,体長測定が行われます(写真-24~25)。
写真-24 体重測定.jpg
写真-24 体重測定

写真-25 体長測定.jpg
写真-25 体長測定

 今夜の個体は,体長68~70㎝,体重2.3~2.7㎏でした。
 この後,ベテラン学生さんのコーチを受けながら,新人学生さんがマイクロチップを挿入されました。
 観察会が終わった後,発見した場所に持ち帰り放流しました(写真-26~27)。オオサンショウウオに『元気で過ごすんだよ・・・』と言葉をかけて放流されたS先生,優しいですね。S先生は今夜は特別くたびれたと言われながらも,充足感に満ちた表情でした。
写真-26 放流.jpg
写真-26 オオサンショウウオの放流

写真-27 放流直後のオオサンショウウオ.jpg
写真-27 放流直後のオオサンショウウオ

 この後,Tさん宅に集合し,学生さんは差し入れのおにぎりやパンをほおばり,暖かいコーヒーを飲んで,S先生の締めのミーティングが行われました。解散は23時半。本日は4時間半の夜間調査でした。みなさん,お疲れさまでした(特に本日の調査隊長S先生)。



コメント

  • 夜間調査の詳細なお知らせありがとうございます。写真のなかに説明があるなど臨場感あふれる良い写真ですね!アシ原との格闘を思い出します(次回は何とかせねばです!)。厳しい条件でも、2頭を確認できた椋梨川の潜在能力の高さを実感しますね! -- ヨダレカケ 2013-07-08 (月) 11:25:14
  • ヨダレカケさま,コメントありがとうございます。いつも陸上班ですみません。 -- ミーアキャットです。 2013-07-08 (月) 19:49:41
  • ミーアキャットさま
    いえいえ、陸上班がいてくださるので、我々も大変助かっています。深いアシ原を進む時の経路をご指示頂いたり、サンショウウオを陸に上げて頂いたり、なにより重要な写真記録を残して頂いたりと大変助かっております。ありがとうございます。我々が水に流されたり、マムシに噛まれたときなども、周囲に人がいてくださることは大変なサポートとなります。今後ともどうぞよろしくお願いしますm(_ _)m -- ヨダレカケ 2013-07-09 (火) 12:48:32
  • ミーアキャットさま,CD拝受しました。サンショウウオだけでなく他の生きものがとても良いですね。ありがとうございました。また、サンショウウオの解説時にも使用させて頂きます! -- ヨダレカケ 2013-07-12 (金) 18:30:07

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