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ブログ/2013-09-02

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仙石庭園余話

画像の説明
写真1

テチス海です。
 日本地質学会News誌に、仙石庭園(写真1)のことを紹介したことがご縁で、過日、地質調査所で海洋地質学の分野で世界的に注目されるご活躍、そして東京城西大学教授を歴任された加賀美英雄博士をお迎えして、山名征三園長とともに、園内を案内しました。

 加賀美博士は、中国の「水石学」にもご造詣が深く、教えていただいたことが多々ありました。そのうちのひとつを紹介しましょう(余話)。園内には、中国産の「太湖石」が、ひとつだけですが、ひっそりとお話しできる機会を待っているかのように、片隅に佇んでいます。加賀美先生によりますと、この岩石は中国の庭園では主峰となる重要な巨岩ですが、太湖周縁で切り出された石灰岩に、鳥の巣状に人工で穴があけられ、その穴は上から下まで連なっていて、雨水が静かに流れるようになっているそうです ― 人工的に穴が空けられた後、太湖の湖底に沈められ、二酸化炭素を含む湖水に角張った部分が溶けて丸くなってから引き揚げ、庭園に据えられるとのことでした。私が中国の蘇州で拝見した庭園の「太湖石」(写真2-拙著「シルクロードにさんご礁を探して」、p.131)はまさに鳥の巣状でしたが、仙石庭園の「太湖石」は引き上げられる際に壊れたのかもしれません、鳥の巣状の穴がひじょうに少ないのが気になります。それにしても、自然石ではなく、人の手が加わっていたとは想像もしていませんでした。庭園内の「太湖石」は、右側の写真の左下部にあるものに似ていますから、佇んでいる場所を探してみてください。(写真2)

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写真2



コメント

  • 当会のFさんも参加されたとか、皆さん大の石好きの方がたですので、さぞや石談議に花が咲いたことでしょう。 -- ヌシです 2013-09-02 (月) 18:54:21

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