ブログ/2013-09-20
大屋石(おおやいし)
ミーアキャットです。
先月(8/27),石見銀山地質研究会による『大屋石』の見学会に参加しました。
講師は島根大学名誉教授Y先生,島根県立三瓶自然館サヒメルのN先生です。島根県大田市大屋町には,石材名で『大屋石』と呼ばれるユニークな岩石があります。会員の方のお話によりますと,地質的には新生代新第三紀中新世の久利層(くりそう)に属しているそうです。
地権者さん宅に立ち入りの挨拶後,地権者さんと共に現地に向かいました。分布している山は一見溶岩ドームのようにこんもりと盛り上がっています。この地域では,この山にしか分布していない珍しい岩石だと聞きました。冷却時の収縮節理のような規則的な節理は認められず,マッシブな岩体に見えます(写真2~4)。
写真2 大屋石の山
この岩石は,径5㎜前後の比較的丸い黒い斑点があるのが特徴です(写真6~7)。
肉眼的には潜在亀裂は認められませんが,くさびを打ち込むときれいに平滑に割れるそうで,かつて石垣用石材としてたくさん使用されたそうです(写真8~9)。石見銀山世界遺産センターの石垣にも使用されているとのことです。
写真8 平滑に割ることが可能
講師の方の説明によりますと,岩質的にはデイサイト~安山岩質溶岩で,黒い斑点は早期に晶出した結晶の集まりではないかと考えられるそうです。地権者さんのお話によりますと,白い部分より黒い斑点のところが硬くて,岩石としては花崗岩に比べると加工がしやすいと言われていました。
コメント
- 研磨したらきれいでしょうね。そそのかしているようですが、決してそうではありません。 -- ヌシです 2013-09-21 (土) 00:08:32
- 地権者さんは磨いたものを玄関に置かれていて,きれいだったと,挨拶に行かれた方が話しておられました。私は車での待機組だったので残念ながら見られませんでした。 -- ミーアキャットです。 2013-09-21 (土) 01:41:21