ブログ/2013-10-09
東広島市の生き物便り⑧
のさんぽです。
ガガブタは、湖や池などに生育する水草の一種で、夏に白色の小さな花を咲かせます。全国的に少なくなっている希少な植物です。
東広島市では数年前に、旧市内の調査が行われた際、1ヵ所のため池にのみ生育が確認されていました。1ヵ所しか生育が確認できないほど希少な種です。その1ヵ所のため池のガガブタが、改修工事でまったく姿が見られなくなり、一時は絶滅したかと思われていました。しかし、幸いなことに2009年になって、その池にガガブタの花を見つけ、復活にとても喜んでいました(以前にその池で発見されていたことを知らず、東広島市で初の発見だ~~!と大喜びしていたことはナイショです(笑))。
そのガガブタが旧市内以外のため池でも生育していました。2012年にはとても大きな群落をつくり、たくさんの花が見られました。ただ、ヒシが多すぎて、ヒシと押し合いへし合いしているように見えたのが気にかかっていました。
今年、その池に行ってみると、ヒシがびっしり水面を覆っていて、ガガブタはほんの少ししか見られません(上の写真)。今年のひどい猛暑のためでしょうか。ガガブタは暑さに弱いのでしょうか。ひしめき合って、酸素が足らなくなったのでしょうか。よくわかりません。以下は去年(2012年)の写真です。
手前にジュンサイの葉、真ん中から奥にかけてヒシとガガブタがひしめき合う池の水面(2012.8)
よく知られているように東広島市にはため池が多く、ため池特有のさまざまな植物が多く見られます。これらため池に生育する植物は準絶滅危惧や絶滅危惧になっているものが多く、なかには株数が非常に多いことで、東広島市が全国でも有数の産地になっている種類がいくつもあります。生き物や植物を探してため池を多く見てきて(全然ひよっこですが)、ため池の植物の豊かさを自分でも本当に実感しています。
ええカッコするようで恐縮なのですが・・・東広島市のため池やそこに生育する植物たちは、東広島市の財産だと思います。これから長い目で見れば、役に立つと思います。いろいろ難しい問題もありますが、ため池のことを市民のみんなが本気で考えて頂きたい、そう心から思います。
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