ブログ/2014-01-04
国の天然記念物・須佐のホルンフェルス
ミーアキャットです。
山口県萩市の日本海に面する『須佐のホルンフェルス』です。通称,『須佐の畳石』と呼ばれています。この須佐湾一帯は国の名勝および天然記念物に指定されており,須佐のホルンフェルスは日本地質百選にも選ばれています。
新生代新第三紀中新世の須佐層群の砂岩・頁岩互層に,後に高山(こうやま)斑れい岩という火成岩体が貫入したため(放射年代20Ma),その熱変成作用により,これに接する部分の須佐層群がホルンフェルス化しています。ただし,写真の畳石付近は,高山斑れい岩体から南にかなり離れているため,ホルンフェルス化の程度は極めて弱いと言われています(文献;山口県の岩石図鑑,山口地学会編,1991)。
灰白色の砂岩と,黒色の頁岩がきれいに互層し,縞模様をなす海食崖はとても美しいです。なお,看板には大断層と書いてありますが,正確には断層ではなくて絶壁の意味と思って下さい。
この砂岩泥岩互層は,泥のたまっていた所に洪水などで何度も砂が運ばれてできたと考えられています。(日本の地形・地質,2012)
海寄りには,大きな割れ目が続いています。地層が海側に緩く傾斜していますので,岩盤が地層面沿いに少しずつ滑り落ちているのかも知れません(写真6~8)。
縞模様を細かく観察しますと,層厚が必ずしも一定ではなく,砂岩が厚いところがあります。堆積時に下の泥岩にめり込んで堆積したものでしょうか(写真9~10)。
(この”須佐のホルンフェルス”は,当HPのみんなの広場『山陰海岸の旅』でも紹介されています)
コメント