ブログ/2014-01-12
3階から観る正月神楽(1)
ミーアキャットです。
毎年元日の昼前後に,近くのスーパーFで神楽があります。2階のフロアに仮設ステージを作って行われます。今年も行ってきました・・・と書く予定でしたが,大晦日の紅白歌合戦の,広島市出身の女優さんのハラハラドキドキの司会に感動し,元日の昼まで寝過ごしてしまい,大ショック。
大変申し訳ありませんが,先年のものから紹介させてください。
普通,神楽は客席より一段高いステージで舞われますが,このスーパーのフロアでは客席と同じ高さで舞われるという,あまりない形式。しかもその2階はたいてい朝から待ちかねているお客さんですぐいっぱいになりますので,遅れて行く私は3階から見るという,これもなかなかのアングルです。
【悪狐伝】
平安時代,いろいろ人をたぶらかす悪い狐を退治する物語ですが,姫に化けた狐が一夜の宿を頼みに来た十念寺(じゅうねんじ)の,珍斉和尚(ちんさいおしょう)の軽妙な舞とそれに合わせた軽快な奏楽が見ものです(境内の掃き掃除や,姫にご馳走する味噌を擦るシーンなど)。また,和尚のアドリブの語りの楽しいこと。どんな話題が飛び出すかワクワクで,客席の爆笑を誘います。特に正月の場合は,アドリブ大半でやられますので,初笑いには人気の演目と言えるでしょう。また,狐は変幻自在の変身を繰り返しますので,これも見ものです。
写真2 悪狐伝
ここの場合は,『こりゃ~,こりゃ~,見渡すと暇げな人がよけ~集まって。いや,いや,これは失礼なことを申し上げました。皆様明けましておめでとうございます。いつもスーパーFをご愛顧いただき,誠にもって有り難く存じ上げ候』てな具合で始まります(写真3)。時には年末の紅白歌合戦の話題とか,時期折々のタイムリーな社会的話題など何でもありです。
この片足でピョンピョン跳ねながら舞う掃き掃除はとても愉快で,アンコールがあることもあります。このときには,客席からAKBの調子でもう一度舞ってくれと言われて,大太鼓の人も苦笑しておられました(写真4~5)。
掃除が終わった珍斉和尚は,姫の夕食のご馳走に『味噌でも擦って進ぜようと思うなり~』と,味噌を擦り始めます(写真6)。余りに勢いよく擦るものだから,大半が擦り鉢からこぼれてしまい,これをまた鉢に戻すなど,おもしろおかしく演じられます。
珍斉和尚は,姫が狐になって背後にいるのに気がつきません(写真8)。
狐にビックリした珍斉和尚は,味噌の擦り鉢を放り投げて客席へ逃げます。こういうアドリブが出来るところが,同じフロアの高さのメリットですね。客席では握手されて大歓迎(写真9)。
続いて,珍斉和尚を追って狐も客席へ。昔はこういうことをすると,小さな子供が怖がって泣いていましたが,いまの子供は平気で,握手したり,しっぽをつかんだり,携帯で写真撮ったり・・・(写真10~12)。
写真13 狐は珍斉和尚にいっぱい悪さをした後,いったん退場しますが・・・
最後は,帝の命を受けた征伐の武士,三浦介(みうらのすけ)・上総介(かずさのすけ)が退治し,ご丁寧に客席に挨拶されます(写真18)。同じく奏楽の方に挨拶されて退場される場合もあります(写真19)。
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