ブログ/2014-01-15
3階から観る正月神楽(2)
ミーアキャットです。
【滝夜叉姫】
この演目につきましては,ブログ/2013-10-12で詳細に述べましたので,3階からの珍しいアングルの写真だけとします。
【恵比須】
美保関で鯛を釣る恵比須さん(事代主命(ことしろぬしのみこと),通称”えべっさん”)のゆったりとした舞ですが,舞はほどほどにして,客席にお菓子やお餅を配り始められますので,これを待ちかねたお客さんに大人気。うまくすると,3階までお餅が飛んでくることも。正月にみなさんを楽しませる縁起物演目なのでしょうね。
【八岐大蛇】
出雲の地に現れ毎年姫を呑み取る八岐大蛇(やまたのおろち)を,高天原から追放された素戔嗚尊(すさのおのみこと)が退治するもので,たいてい神楽の演目の最後を飾ります。奇稲田姫(くしなだひめ)の両親の老夫婦に酒を作らせ,大蛇の襲来を待ち,案の定これを飲んで酔いつぶれた大蛇を素戔嗚尊が次から次へと退治します。最後の大蛇からひとふりの剣が現れ,これを天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)と名付けて,高天原に献上し,その後,素戔嗚尊は奇稲田姫と結ばれます。
神楽団毎にいろいろな演出がなされて来たようですが,昨今は大蛇が多くなりましたね。大蛇の舞台への現れ方も,空中に張ったロープを伝わる,まるでサーカスのようなものから,突然客席の後ろから出てきてビックリするようなものも見たことがあります。
このスーパーのステージでは,大蛇が客席になだれ込んで,みんなを驚かせたり,身近に見る大蛇に喜んだり・・・(写真29~34)。
最後は見事大蛇を退治した素戔嗚尊がみなさまに挨拶します(写真35~36)。
ところで,この八岐大蛇の話は,度々洪水を起こし,洪水時にはあちこちに川の流れを分岐して被害を及ぼす,島根県の『斐伊川(ひいがわ)』を例えたものという説があります。たたら製鉄の砂鉄を採取するために,強風化花崗岩(マサ)を掘りまくる『鉄穴流し(かんなながし)』は,大量の土砂を下流に流すため,河川は天井川となり,すぐに洪水を起こすようになります。これにより,出雲・松江地方は過去に度々浸水しています。これを改良する治水事業として,丘陵を開削した人工川(斐伊川放水路)を造り,洪水時には分流堰によりこの放水路から神戸川(かんどがわ)へ分流させて日本海に流す大工事が施工されています(写真37)。
写真37 斐伊川放水路の空中写真(Google earth)
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