ブログ/2014-01-28
三年目の出会い
ミーアキャットです。
2014.1.27に今年最初のオオサンショウウオ幼生調査が行われました。昨年の5月以来,8ヶ月ぶりの待望の調査です。過去2年の調査の成果に加えて,昨年には産卵時期も特定できていましたので,幼生離散調査の開始時期もピタリと決まるという快挙(!?)らしいです(ヌシさん曰く)。
今回は豊栄町の清武西地域センターに集合しました。広島大学からS先生と学生さんが8名も参加され,総勢16名の調査隊となりました。今回も,自然界ではまだオオサンショウウオを見たことがないという学生さんが参加され,幼生も成体も発見できればいいなと期待のミーティングです(写真2)。
調査地の椋梨川最上流部は久々の青空です(写真3)。
水温5.4℃という冷たい水の中に腰まで浸かって,S先生と学生さんが落ち葉だまりを探索されました(写真4)。自然研のメンバーは陸上班ですみませんね。
産卵巣穴の下流部で,早速『いた,いた!』『えっ,もういたの?』(写真5)。
続いて,次から次へと見つかりましたが,産卵巣穴付近が最も多かったです。幼生は目が比較的大きく見えて,かわいいですね(写真6~7)。
産卵巣穴より上流へ探索しているうちに,S先生が石垣の下に半身を出している成体を肉眼で発見されました。『こういう風に顔を出しているのが分かるかな?』とS先生が右手で説明されています(写真8)。すると一人の学生さんが『あの斑紋は見たことがありますよ』。学生さんの記憶力にすっかり脱帽。
S先生が素手で一気に捕獲されました。やや小さめの個体です(写真9)。
初めて自然界でオオサンショウウオを見る学生さんを含めて,賑やかな観察会が始まりました(写真10)。すでにマイクロチップが入っている体長50.8㎝,体重約1kgの個体でした(写真11)。
さらに上流で,またまたS先生が成体を捕獲されました。今度は,体長74.5㎝,体重2.3kgの大物でした。初めての学生さんは感動の抱っこ(写真12)。
マイクロチップは挿入済みでしたが,少し痩せている様子だとみなさん言われていました(写真13)。
本日,捕獲確認された幼生は36匹でした。こういう写真は見慣れた光景となりましたね(写真15)。
幼生の体長は約5㎝,体重は約1gで,目のいい学生さんの肉眼判定によると,後肢第5指は生えかけている状況だそうです(写真16)。
今回は,K隊長が孵化後の卵索の抜け殻を採取しておられて,初めて見ました(写真17~18)。
以下はオオサンショウウオと共生していた主な生き物たちです。
写真20 コヤマトンボがタカハヤの子供に食いついているところ(腹側から撮影)
写真22 コシボソヤンマは触るとすぐに死んだふりするので,撮影が難しい
下のカメの写真は,甲羅の上に3本の突起線があるところはクサガメの特徴を示し,甲羅の後側がギザギサになっているところはイシガメの特徴を示しています。K隊長によりますと,両者の交雑種ではなかろうかと言われていました(写真27~29)。
冷たい水中に入っていただいたS先生はじめ若い学生さんに感謝です。それにしても,初めて野外でオオサンショウウオを見るという学生さんに,必ず一発で成功されるS先生の神通力にはいつもながら脱帽しました。
久しぶりにこの現場に帰って来ましたが,次回の幼生調査が楽しみです。
コメント
- 2014年初調査をうまく纏めていただき感謝です。
ヌシは胴長をはいて「やる気」をみせたんですが、ひるからのぽかぽか天気に
ちょっとウトウト、お昼寝させていただきました。皆さんゴメンナサイ!おかげさんで、より詳しいデータの蓄積ができています。生体2匹も記録できました。感動もいただきました。ありがとうございました。 -- ヌシです 2014-01-28 (火) 10:57:49 - 予想通りの結果に皆さん満足しちょりんさったのー。ここのオオサンショウウオ繁殖地は今のところ健在じゃが、上流の山林伐採や田んぼの養魚場が不気味じゃてー。ヌシさん曰く、「油断はできんでー。」 -- かやネズミでがんす。 2014-01-28 (火) 17:28:01