ブログ/2014-05-13
天然記念物・荒戸山
ミーアキャットです。
岡山県新見市に通称『阿哲富士』あるいは『鍋山』という山があります。およそ200万年前に噴出した玄武岩の火山です。このような釣鐘状の形の火山を『トロイデ』と言っています。標高は761.8mで,すばらしい自然が残っているということで,新見市の天然記念物に指定されています。
山の麓には荒戸神社があります。比較的小さな神社ですが,室町時代の建築様式を伝えているそうで,本殿は入母屋造檜皮葺きの美しい神社です(写真3~4)。
荒戸山は部分的にヒノキやスギの人工樹林がありますが,多くは広葉樹林です。ハイキングコース沿いの代表的な樹木には名札が付けてありますが,ケヤキ・コナラ・クヌギ・ミズナラ・カシワ・カエデ・イロハモミジ・カラスザンショウ・アオハダ・シキミ・クマノミズキ・イボタノキ・イヌシデ・ハリギリ・カナクギノキなどの大きな樹木があります(写真5~7)。特にコナラは胸高幹囲約4mのものもありました。
写真7 カナクギノキ
頂上には展望台があります。南方を見渡すと荒戸山と同じようなトロイデ状の山が見えます(写真8~10)。
展望台の周りでは,カシワの大木が芽を吹いていました(写真11)。
荒戸山の山腹には,柱状節理が明瞭な玄武岩の露頭があちこちに見られます(写真12~16)。
柱状節理は,溶岩が流れた方向(山腹斜面)にほぼ垂直に切り立っています。ハイキングコースでは,傾斜60度前後が多く見られました。これらの露頭は,『黒滝』,『西滝』,『弘法滝』などと名付けられています。柱状節理の下側節理面で剥がれて,絶壁になっている露頭のことを”滝”と形容しているのかなと想像しました(写真17)。
柱状節理の断面を上から見ることができる露頭もあり,径10~15㎝程度の5~6角形の亀甲模様が特徴的です(写真18~20)。
これらの岩盤露頭には,土壌がほとんどないにも関わらず,広葉樹の大きな木が根を張っており,玄武岩の柱状節理に食い込んだ根に生命力の強さを感じました(写真22)。
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