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ブログ/2014-06-20

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猛鬼海岸 (2)

写真18 砂岩の液状化.jpg
写真18 砂岩に残る液状化の跡 (2014.5.31)

ミーアキャットです。
 猛鬼海岸の砂岩層から崩れ落ちた巨大な転石には,液状化の跡がはっきりと認められるものがあります。波状にうねった層理が見えます(写真18~21)。午前中に講義を受けて,午後にはそれを実際に見ることができて感動でした。

写真19 砂岩の液状化.jpg
写真19 砂岩の液状化の跡

写真20 砂岩の液状化.jpg
写真20 同上

写真21 砂岩の液状化.jpg
写真21 同上(別の転石)

 また,海岸の転石には,級化成層,斜交層理,漣痕(リップルマーク)など,教科書のような典型が見られました(写真22~24)。

写真22 級化層理.jpg
写真22 級化成層

写真23 斜交層理.jpg
写真23 斜交層理

写真24 リップルマーク.jpg
写真24 漣痕(リップルマーク)

写真25 砂岩中のシルト岩の挟み.jpg
写真25 砂岩中のシルト岩の挟み

 砂岩の上には,安山岩溶岩が載っていますが,その柱状節理は見事です(写真26~28)。

写真26 安山岩の柱状節理.jpg
写真26 安山岩の柱状節理

写真27 安山岩の柱状節理.jpg
写真27 同上

写真28 安山岩の柱状節理.jpg
写真28 同上

 柱状節理を上から見ることができる露頭もあります。柱状節理の大きさは径50~60㎝で,五角形~六角形をしています(写真29~31)。このような図形を数学的には『ボロノイ分割Voronoi diagram』というと教えてもらいました。点と点の中点を結ぶとこのような形に必然的になるそうです。

写真29 安山岩の柱状節理.jpg
写真29 柱状節理を上から見る

写真30 安山岩の柱状節理(径50~60㎝).jpg
写真30 同上

写真31 安山岩の柱状節理.jpg
写真31 同上

 海岸のすぐ沖には,安山岩の島があり,ここも見事な柱状節理が見られます。

写真32 安山岩の島.jpg
写真32 安山岩の島

写真33 島の安山岩の柱状節理.jpg
写真33 島の安山岩の柱状節理

 逆光のため写真33では見えづらいですが,下図のような曲った柱状節理が認められます(写真34)。

写真34 安山岩の柱状節理のスケッチ.jpg
写真34 島の柱状節理のスケッチ

 この成因としては,つぎの二つが考えられると講師の先生から説明がありました。
①安山岩の溶岩の表面は急冷して,表面に垂直な柱状節理が形成されたが,溶岩の中は熱くて流動した(写真35)。
②安山岩の溶岩の厚さが一定でなく傾いていたため,両表面に垂直に出来た柱状節理が斜めにぶつかりあった(写真36)。

写真35 溶岩の外側が急冷したが,中が熱くて流動化した場合.jpg
写真35 ①の説明図

写真36 溶岩の厚さが傾いていたため,表面に垂直な柱状節理が出来たが互いに斜めに接した場合.jpg
写真36 ②の説明図

 柱状節理を観察後,海岸にへばりつきながら帰りました(写真37)。

写真37 海岸沿いを歩く.jpg
写真37 海岸の砂岩沿いを帰る

 この後,未固結状態の混在岩の上に安山岩の溶岩が流れたという露頭を案内してもらいました(写真38)。このように火山岩と堆積岩の境界が波打つように混在する現象を『ペペライト』というそうです。写真の黒い部分は,溶岩の熱で焼けたところだと説明がありました。

写真38 未固結状態の混在岩の上に安山岩溶岩が載る(ペペライト).jpg
写真38 混在岩の上に安山岩の溶岩が載る

 凝灰角礫岩の中には,珪化木がありました(写真39)。

写真39 大森層(凝灰角礫岩)中の珪化木.jpg
写真39 凝灰角礫岩中の珪化木



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