ブログ/2014-07-11
琴ヶ浜
ミーアキャットです。
先年,石見銀山地質研究会による島根県大田市仁摩町琴ヶ浜の『鳴り砂』の観察会に参加しました。この延長2㎞の海岸は,歩くとキュッキュッと鳴るそうです。
平成8年7月1日,鳴り砂の”キュッキュッ”と言う音が『日本の音風景・百選』に選ばれ,平成8年7月10日には,全国の美しい渚を対象とした『日本の渚・百選』に選ばれています。
あいにくこの日は雨天のため,砂の音を聞くことはできませんでした。
研究会の資料によりますと,“鳴り砂”になるためには,一般的には下記の条件を満たす必要があるそうです。
①砂粒の大きさ・・・0.3~0.6㎜程度の砂浜。
②石英粒に富んでいること。
③砂粒の形が丸みを帯びている。
④きれいな海水で洗われていること。(ただし,砂漠の砂でも風の力で研磨されて,鳴り砂の現象を示すそうです)
⑤浜で砂の出入りが無いこと。土砂などがいつも流れ込んでいないこと。海浜の形状が安定していること。
写真1,6~7が海浜の砂を掘ってみたところですが,粒の揃ったとてもきれ
いな砂で,所々に有色鉱物が薄い層をなしていました。
当日は,この琴ヶ浜から南方に位置する入り江,大田市温泉津町の”古龍の浜”にも行き,砂の堆積状況の観察を行いました。砂の級化構造がよく分かりました(写真10)。
波打ち際では漣痕が見られました。漣痕に沿って有色鉱物が集積しているのでその形がよく分かります(写真11)。
また,漣痕がまさに形成中のところを見ることができました(写真12~13)。
コメント
- 地質学的な情報、毎回楽しく読んでいますが、相変わらずの熱心な勉強、敬服しています。鉱物の比重の違いが、水の運搬エネルギーを反映してできる縞模様は、”鉄穴流し”と関係があるでしょう。漣痕の成因も水流の速度と関係があり、かなり早い流れのあるところでないとできないのですが、浅いところだけでなく、深海でも形成されていて、深海の水もかなりの速さで移動しているようです。堆積学に関する近年の日本堆積学会の活躍には目を見張るものがあり、会報がその状況をよく表しています。 -- テチス海 2014-07-12 (土) 09:21:27
- テチス海さん,いつも詳しい解説とフォローをありがとうございます。 -- ミーアキャットです。 2014-07-12 (土) 13:31:22