ブログ/2018-10-01
オオサンショウウオ消滅の最前線に立つ
小ヌシです。
平成30年7月豪雨から3ヶ月近く過ぎました。その精神的ショックをやっと自分なりに整理できたようですので、この間の出来事を少しまとめておきたいと思います。
豪雨が豊栄町椋梨川のオオサンショウウオたちにどんな影響を与えたかを知るため、7月下旬から9月上旬までの間、広島大学総合博物館のS先生と大学のみなさん、東広島オオサンショウウオの会のメンバーは、産卵行動も含め16回ほど調査などをしました。小ヌシはそのうちの7回ほど参加させてもらいました。写真1,2
この調査の詳細はS先生が後日報告、発表などを予定されていますので、ここでは「厳しい状況に追い込まれました」とだけ表して概要をupさせていただき、詳細は差し控えさせていただきます。ご理解ください。
8月の観察会の下見の段階で、生き物の少なさや数か所の堰直下に必ず居たオオサンショウウオたちが全く見つからないなど、現場の様子をS先生から伺っていましたが、実情はもっと厳しいものでした。
通常調査している川の状況は大きく変わり、チップ登録したオオサンショウウオの6割が行方不明、2か所の産卵巣穴が損壊しました。写真3
調査中何度歩いてもあまりに見つからないので、調査範囲をはるか下流の三原市境まで拡げて捜索しました。写真4,5
それでも大きな成果は得られませんでした。
また、今まで産卵に参加した主要メンバーたちは一匹も確認できず、2か所の産卵巣穴は空いたまま。消滅の危機?初めての試練。
これからどうなることかと案じていたところ、一か所の既知の巣穴で産卵が確認され、また、予想外の場所で新規の巣穴と産卵が確認できました。それぞれ新しいヌシたちの登場です。写真6,7
また、新規の個体も数匹確認できました。上流から流されてきたものでしょうか。
指や手のひらは傷んでいませんが、腹部に小さな擦り傷のようなものがたくさん付いています。写真8
小ヌシは落ち込んでいたのですが、新規の個体と新規の産卵行動で一縷の光明を見出すことができ、かつ、生き物の“したたかさ”も感得することができました。
それぞれの巣穴の新米ヌシさんの頑張りで、卵が無事ふ化し、巣立ってと祈るだけです。
行方不明の個体は時間をかけて(3年?)探そうと思っています。写真9
また、テレビの取材は前後約3週間にわたりお付き合いいただき、大変ご苦労様でした。
良い映像が撮れたそうです。本当に良かったですね。写真10,11
今回の調査に何度も参加協力してくれた皆さんに感謝しています。
皆さん、ありがとうございました。
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