ブログ/2022-01-02
年末巡検(2)
小ヌシです。
呉市安浦町「黒地」と呼ばれている地区の海食崖の露頭は、おもに凝灰質岩の白と黒のはっきりしたコントラストで堆積していて、この二色の取り合わせは県下でも珍しいと聞いています。活発な火山活動があったことが推測されます。写真5-1
火山灰が堆積した構造や断層が観察できます。西方に15度ぐらい傾斜しています。
なぜ傾斜しているのか?
海岸には多くの岩礫があり、「紅柱石」を含む石も沢山あるようです。
なぜ紅柱石があるのか? 写真5-2,3,4,5
広島大学の早坂先生や田島さんの講演要旨 ↓ に「95.5Ma頃に大規模なカルデラ陥没がおこり、湖水成層(H7s)が堆積した」とあります。(Maは100万年前)
小ヌシの「安芸津町の地質」への長年のモヤモヤがこの一文で晴れた思いです。
早坂先生、田島さんありがとうございました。
↓
早坂 康隆先生, 田島 詩織さんによる詳細な年代測定
日本地質学会講演要旨 第123年学術大会(2016東京・桜上水)
ジルコンのU-Pb年代にもとづく山陽帯―領家帯の白亜紀火成活動史および削剥史 (jst.go.jp)
また、書籍「日本の地質」A5版145頁(地質情報整備・活用機構、産業技術研究所 地質調査総合センター共編)の100,101頁「広島」に、このあたりの地層が紹介されています。
身近なところだけに嬉しい記載です。写真6-1,2
今日は約2時間ばかり4か所の露頭を案内し、孫たちは直に崖を見、地層や岩石に触りました。白亜紀後期、約9500万年前、まさに恐竜の時代。少なくともここ芸南地区では火砕流を引き起こすほどの大規模で激しい火山活動があり、大地を傾かせるほどの地殻変動があったなど、少しは「ふるさとの大地」を学ぶきっかけになったかな~?と。
都会では崖や岩石を直接目にする機会はまずありませんものね。
それはさておき、帰省した折でもゲームに夢中になる姿を見るにつけ、「何とかせにゃ~いけん」と思う次第です。さて、次回はどこに?
参考:安芸灘とびしま海道の旅
:ブログ/2013-11-28
:ブログ/2013-11-30
:『仙酔島の自然観察と鞆の浦の歴史散策』に参加して
~終わり
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