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ブログ/2023-03-14

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東広島市安芸津町の故進藤松司さんのこと

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写真1 「安芸三津漁民手記」進藤松司 昭和12年

小ヌシです。
昭和12年発行の進藤松司著「安芸三津漁民手記」(アチックミユーゼアム彙報 第13)をネットで入手することができました。写真1

「旅する巨人」と称された宮本常一が著作「私の日本地図6」ブログ/2023-01-22
の中で「進藤松司」のことを書いていたため、二人の関係が気になっていました。
写真2,3

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写真2 私の日本地図6

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写真3 同P25

宮本が師と仰ぎ日本全国を歩き回り調査したもの、進藤は漁師をしながら寸暇を惜しんで書き留めたものを世に出したキーマンは「渋沢敬三」でしょう。
宮本の「民俗学の旅」(1993)の8.柳田、渋沢、沢田先生にあう、などにその状況が記されています。写真4

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写真4 「民俗学の旅」1993 宮本常一

このたび入手した進藤の漁民手記の「序」には渋沢敬三が素晴らしい文章を寄せています。
昭和12年、渋沢敬三は安芸三津漁民手記の素稿を持って、わざわざ東京?から列車を乗り継いで、昭和10年に開通したばかりの安芸三津駅で進藤さんに会った時の様子が、昭和12年10月記と鮮明に書かれています。ここにも進藤を温かく見守っているのが分かります。写真5~8,1

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写真5

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写真6

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写真7

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写真8

また、渋沢が主宰したアチック・ミューゼアムの刊行物に宮本、進藤の本が紹介されています。写真9

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写真9

昭和35年発行の「安芸三津漁民手記の序」にも再掲されています。写真10

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写真10

また、同「あとがき」も渋沢が書いています。写真11,12

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写真11

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写真12

私たちの身近な場所に、渋沢さんを要として宮本さんや進藤さんたちが繋がる“民俗学”の世界があったと充分考えられ、今、皆さんの“声”をしっかり聴かせてもらいながら、その背景を考えています。さまざまに書き残してくれていたからこそ、先人達の生きた社会を少しは辿れるのかなと改めて思っています。

ついでながら、宮本、進藤は二人とも明治40(1907)年生まれで、同い年。
なので、宮本が「私(宮本)が教えられたことは実に大きい」と進藤を評した気持ちが分かります。ちなみに、渋沢は明治29(1896)年生まれで、二人より11歳ほど年上です。
◎安芸津歴史民俗資料館/東広島市ホームページ (higashihiroshima.lg.jp)
◎アチックミユーゼアム彙報 第13 - 国立国会図書館デジタルコレクション (ndl.go.jp)
◎渋沢敬三 - Wikipedia
◎宮本常一 - Wikipedia

参考:ブログ/2022-05-07安芸津町史)ほか
  :ブログ/2023-01-28(本「イザベラ・バードの『日本奥地紀行』を読む」)
  :ブログ/2023-03-09「本(瀬戸内海西部の漁と暮らし」-安芸三 津漁民稿)ほか 



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