観察会「虚空蔵山登山」
虚空蔵山登山
平成20年5月18日
沖村 雄二
東広島市観光協会・並滝こもれびの会が主催される虚空蔵山(標高666.1m)登山は、黒瀬川の水源池、並滝寺池の北東にあって、黒瀬川、大田川、沼田川の三水系を分ける山の自然に触れることができ、並滝寺池の位置が地形的な鞍部にあって、水源に関連した自然環境の保全を考える機会として大きな意味をもつことは疑いない。
毎年実施されるが、初めて本会との共催が打診され、これまでにも本会会員が参加してきた経緯からして、喜んでお引き受けした。道案内を兼ねて大繁が植物を、地形・地質を担当して沖村が講師を務めた。
この山の地質は、周辺が花崗岩から成っているなか、南南西~北北東の断層関係で、風化作用に強い流紋岩が配列する山系の最高峰であり、垂直な節理面に支配された急峻な威容(地形)を誇っている。この山の自然について、いずれ本会の会報にまとめられることを祈りながら、次回の登山に参加されることをお奨めする。
報 告 道野 忠司
5月18日、虚空蔵山登山に行ってきました。沖村会長、大繁さん、近藤さんと並滝こもれびの会の方に大変お世話になり有難うございました。
沖村先生に虚空蔵山の成り立ちを、大繁さんに山野草の名前を教えていただき、大変有意義な一日でした。
虚空蔵山は芸北の山の植生(シデ・コシアブラ・ベニドウダン・クロモジ・アケビ・ササユリ・リョウブ・シライトソウ・ソヨゴ・ホウノキ・サルナシ・アカメガシワ等々)と似ている点に少々驚きでした。
東広島の自然(2008.12)No.40 掲載
幻の虚空蔵山観察会
虚空蔵山登山について
並滝こもれびの会さんとの共催行事。平成21年5月17日実施予定でしたが、当日は雨。順延6月14日も雨、「足元が滑る」危険があるため、中止の判断をした。残念ながら、結局、この行事は実施できなかった。
会長は参加者用に付近の地質図をコピーして持参していただき、担当の大繁さんは植物写真・パネルを準備していただいた。また大繁さんは、参加者に配布するための資料まで用意していただいた。
それらを没にするには、あまりにもったいないので以下に転載します。
なお、裏表紙内側には“見られたはず”の植物をカラーで掲載しているので、参考にしてください。 (土岡)
虚空蔵山について
大繁一味
画像をクリックすると拡大します。
別名、岩室山と呼ばれ原始信仰の山。
山頂からの眺望もよく西条盆地が一望でき、霞んでいなければ広島空港や遠く四国の山々、島なみ海道、江田島方面を見ることができる。
頂上下部大岩展望台下20mの岩間に乳神様という祠がある。
裏表紙内側の写真
<研究報告>
2009年度動植物調査 大繁 一味
本年は観察仲間と一緒に調査を行い、2004年以降未確認となっていたガガブタ(準絶滅危惧(NT))を再発見、ミズトンボ(絶滅危惧II類(VU))の大群落を発見、東広島市域でシラヒゲソウを発見しました。
ガガブタについては水利組合との話し合いで保護に向けて進展中。
東広島市では初ではないかと思われるナガボノシロワレモコウを発見。
スブタ(絶滅危惧II類(VU))、タチモ(準絶滅危惧(NT))も発見しました。淡水魚はアカザ(絶滅危惧II類(VU))、ヤリタナゴ(準絶滅危惧(NT))を見つけ出しました。見つけ出すだけではなく保護に向けた活動に向け現在検討中。
会員 大繁一味さんが
中国新聞で紹介されました ~
(平成21年10月7日付 朝刊)
東広島の自然(2010.3)No.41 掲載