ブログ/2013-05-25
岩石顕微鏡写真(1)
写真-1.1~1.2 流紋岩(岐阜県・槍ヶ岳) 撮影時倍率100倍
【記事】流紋岩の名前の由来の流理(りゅうり・・・流れた組織)がよく分かります。斜長石(Pl)。
ミーアキャットです。
先日,このコーナーのコメント欄で,岩石薄片の顕微鏡写真のリクエストがありましたので,昔作って手元に残っていた薄片を,およそ半世紀ぶりに(大げさですみません)デジタルカメラで撮影したものを,ぼちぼち出します。(『ぼちぼち君』さんと似たような表現で,すみません)
岩石の薄片とは,厚さ0.03mm程度に薄くしたもので,この厚さになりますとほとんどの鉱物は光を通します(金属鉱物には不透明なものがあります)。特定方向の光だけ透過させることのできる偏光顕微鏡で,拡大してステージを回転させながら色の変化を見ますと,鉱物の特徴がよく分かり,鉱物種の同定,その構成や組織などで岩石名を判断することができます。
最初は『流紋岩(りゅうもんがん)』です。岩石の名前は分かりにくいことが多いですが,『流紋岩』は,溶岩の流れを意味する英語名の日本語訳として名付けられました。岩石の中ではSiO2(二酸化ケイ素)が約70%以上と最も多く含まれるものです。同組成の火山砕屑岩の場合は,流紋岩質凝灰岩(ぎょうかいがん)などと呼ばれます。
写真左側は単ニコルといって偏光板が1枚,写真右側は直交ニコルといって偏光板が2枚の写真で,同一薄片の同一箇所を撮影したものです。左側の写真には,特徴的な鉱物名を記入しています。(なお,岩石名は薄片製作当時に書いてあったものをそのまま書いていますが,分類の定義変更などにより,現在では必ずしも適当でない名称があるかも知れないこと,あるいは用語の使用方法のあいまいさや間違い等がありましたら,ご容赦ください)
写真-2.1~2.2 流紋岩(岐阜県・槍ヶ岳) 撮影時倍率100倍
【記事】同上。(この流紋岩の薄片だけは典型的なので,薄片所有者から拝借して写真だけ撮らせてもらいました)
写真-3.1~3.2 流紋岩質凝灰岩(岡山県・柵原) 撮影時倍率20倍
【記事】石英(Q)の融食形の斑晶と,鉱物片・砕屑粒子が見られます。
写真-4.1~4.2 流紋岩質凝灰岩(岡山県・柵原) 撮影時倍率40倍
【記事】同上。
写真-5.1~5.2 流紋岩質凝灰岩(岡山県・柵原) 撮影時倍率40倍
【記事】同上。
写真-6.1~6.2 流紋岩質溶結凝灰岩(広島県・仙酔島) 撮影時倍率20倍
【記事】石英(Q)などの大きい鉱物片と,砕屑粒子,細かい石基が見られます。
写真-7.1~7.2 流紋岩質溶結凝灰岩(広島県・仙酔島) 撮影時倍率40倍
【記事】石英(Q)の融食形の斑晶と斜長石(Pl)の斑晶があり,細かい石基が見られます。
写真-8.1~8.2 流紋岩質凝灰岩(広島県・安芸津・蚊無トンネル)
写真長辺3.5mm
【記事】斜長石(Pl)や石英(Q)の大きい鉱物片や,細かい砕屑粒子からなり,乱雑な組織です。この写真は昔のフィルムプリントのスキャンです。地域的に身近なので載せました。
コメント
- リクエストしたのはヌシですが、難しいですね。
何がなんやら・・・。勉強します。高校地学の教科書を・・・。
ありがとうございます。 -- ヌシです 2013-05-25 (土) 15:36:57
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