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龍王山のバッタ・コオロギ類

みんなの広場

龍王山のバッタ・コオロギ類

福永みちる

 バッタ目(直翅目)は、トノサマバッタやキリギリス、エンマコオロギ、ケラなどを含み、その多くがいわゆる“鳴く虫”として親しまれています。バッタ目はコオロギの仲間とバッタの仲間に分類されています。
 東広島市全体ではこれまで70種が記録されています。龍王山ではこのうち23種を確認していますが、特にコオロギ類などまだまだ確認できていない種がたくさんいます。

[マツムシ科]
アオマツムシ
体長 21~23mm
時期 7~11月
 中国原産の外来種で、近年分布が広がっている。西条町内でよく見かける。龍王山でも幼虫を含め、散策道わきの植物上でよく見られる。

アオマツムシ♀.jpg
オス 2012年9月

アオマツムシ♂.jpg
メス 2013年9月

カンタン              
体長 14~18mm
時期 7~11月
 林縁の草むらなどで見られ、クズを好む。オスはルルルル・・・と美しい声で鳴く。メスには腹先に細長い産卵管がある。

カンタン♀.jpg
メス 2012年9月

[キリギリス科]
ヤブキリ
体長 45~58mm
時期 6~10月
 雑木林周辺で見られ、丈の高い草やぶや木の上で暮らす。肉食性で、他の昆虫を捕えて食べる。龍王山ではほかのキリギリス類に比べ、個体数は多くない。

ヤブキリ.jpg
メス 2014年8月

キリギリス
体長 29~40mm
時期 6~10月
 林縁の草はらなどに多く、龍王山では個体数は多い、夏の初めから鳴き始める。キリギリスも他の昆虫を捕えて食べる。

キリギリス.jpg
オス 2006年8月

ハヤシノウマオイ
全長 45mm前後
時期 6~11月
 夜に活動し、他の昆虫を捕えて食べる。よく似たハタケノウマオイに比べ、“スィーーッチョン”と長く伸ばして鳴くという。雑木林に囲まれた生息環境からハタケノ・・ではなく、ハヤシノウマオイとした。

ハヤシノウマオイ.jpg
2008年10月

クビキリギス
全長 50~57mm
時期 4~7月
 体色は緑色型と褐色型がいる。頭の先が尖る。口は赤い。草はらや田んぼの土手などで見られるという。写真の個体は、キャンプ場奥の池周辺の草むらで見られたもの。

クビキリギス.jpg
緑色型 2008年7月

ササキリ              
全長 21~28mm
時期 7~11月
 小型種で、秋になると、散策道わきの葉上などにとまっているのをよく見られる。日中に活動する。

ササキリ.jpg
オス 2006年9月

[ツユムシ科]
アシグロツユムシ
全長 29~37mm
時期 7~11月
 脚が黒いツユムシの仲間で、日中に活動する。林縁の樹上や下草などに見られる。夏の終わりから秋にかけ、散策道の植物上によく見られる。

アシグロツユムシ.jpg
オス 2006年9月

ツユムシ
全長 29~37mm
時期 6~11月
 全身が淡緑色。日中に活動し、明るい草はらなどで見られる。公園内の散策道周辺ではアシグロツユムシのほうがよく見られ、本種はあまり多くないように思われる。メスには腹先に産卵管がある。

ツユムシ.jpg
メス 2012年9月

セスジツユムシ
全長 33~47mm
時期 7~11月
 体が緑色型と褐色型がいる。オスの背には後方に伸びる茶褐色条がある。低木の葉上などに見られる。

セスジツユムシ.jpg
緑色型のメス 2013年11月

[ササキリモドキ科]
ササキリモドキ              
全長 ♂13~15mm、♀10.8~13.4mm
時期 8~11月
 照葉樹林の明るい林縁に生息すると言われる。よく似たセスジササキリモドキはよく見られるが、本種は少ないのか市内では写真の1例しか見たことがない。

ササキリモドキ.jpg
2006年10月

セスジササキリモドキ
全長 11~14mm
時期 8~11月
 翅が濃茶褐色で細長い。小さくてきゃしゃな感じのするササキリモドキ。低山地の樹上に多く、灯火にもよく集まる。

セスジササキリモドキ.jpg
2011年8月

[コオロギ科]
モリオカメコオロギ
体長 12~16mm
時期 8~11月
 林内や林縁、周辺の草むらで生活する。♂はリー・リ・リ・リ・リと鳴く。写真は散策道の林縁の道路上で見られたオス。よく似たハラオカメコオロギがいる。

モリオカメコオロギ.jpg
オス 2013年11月

[ヒシバッタ科]
ヒシバッタの一種
体長 6~10mm
時期 4~10月
 ヒシバッタの仲間は外見で種類の特定は難しく、本種もヒシバッタの一種とした。体の斑紋には多くのパターンがある。公園内では草むらなどいろいろな場所でよく見られる。

ヒシバッタの一種.jpg
2011年7月

[オンブバッタ科]
オンブバッタ
体長 ♂20~25mm、♀40~42mm
時期 6~12月
 褐色型と緑色型の2型がいる。草はらなどに多く、公園内でもよく見られる。写真は、褐色型のメスが緑色型の小さなオスを背負っている。

オンブバッタ.jpg
2006年9月

[バッタ科]
ハネナガイナゴ
体長 ♂17~43mm、♀21~40mm
時期 7~11月
 よく似たコバネイナゴは翅が腹より短いが、ハネナガイナゴは翅が腹より長い。水田、湿地など水辺でよく見られる。

ハネナガイナゴ.jpg
2006年8月

ツチイナゴ
全長 ♂50~55mm、♀50~70mm
 複眼の下に涙のような模様がある。草はらなどに多く、特にクズを好んで食べる。秋に脱皮して成虫になり、そのまま越冬する。

ツチイナゴ.jpg
2011年11月

セトウチフキバッタ
体長 22~35mm
時期 夏~秋
ヤマトフキバッタの一種で、広島県に生息するものはセトウチフキバッタと思われる。写真は、林道わきの荒れ地で土中に腹を差し込み産卵するメス。

セトウチフキバッタ.jpg
2007年9月

ショウリョウバッタ
全長 ♂40~50mm、♀75~80mm
時期 8~11月
 体は細長く大型のバッタで、体色は褐色型、緑色型、褐色と緑色の混合型もいる。明るい草はらに多い。

ショウリョウバッタ.jpg
褐色型の個体 2014年8月

ショウリョウバッタモドキ
全長 27~57mm
時期 7~11月
 ショウリョウバッタよりかなり小さく、脚もショウリョウバッタほど長くない。敵の気配を感じると巧みに茎の裏側にまわり身を隠す。草むらなどで見られるが、ショウリョウバッタより多くない。

ショウリョウバッタモドキ.jpg
2006年9月

ツマグロイナゴ
全長 ♂33~42mm、♀45~49mm
時期 7~9月
 翅先と後脚の関節が黒い。オスは体の黄色みが強い。草むらなどでよく見られる。

ツマグロイナゴ.jpg
オス 2006年9月

クルマバッタモドキ
全長 ♂32~45mm、♀55~65mm
時期 7~11月
 荒れ地などの草丈の地表などによく見られる。よく似た「クルマバッタ」は少ないが、本種は多い。

クルマバッタモドキ.jpg
2011年11月

ヒナバッタ
全長 19~30mm
時期 4~12月
 日当たりの良い草はらでよく見られる。オス(上)は腹端が赤褐色をしている。メス(下)が土中に腹を差し込んで産卵している。

ヒナバッタ♂♀.jpg
2013年11月

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