生き物大好き・大学生の活動記
生き物大好き・大学生の活動記
広島大学アウトドアサークル<いきもの会>
釜野 靖子
1.はじめに
豊栄町のオオサンショウウオ観察会でご一緒したご縁で、会報に投稿させていただくことになりました。何を書こうか…と思ったのですが、やはり私たちの普段の活動について書いてみることにします。
いきもの会は、広島大学の学生約35人がメンバーで、東広島や県内、長期休暇には中四国・九州に生き物探しに出かけていきます。活動の際は全員で行くわけではなく、興味のある・日程があったメンバー5~10人でグループをつくり活動しています。毎年夏休みには恒例の屋久島にキャンプに行き、今年は10時間歩いて縄文杉を見に行きました。
今回は東広島の自然に載せていただくので、今年の東広島での活動について振り返ってみます。
2.新歓ハイクin竜王山、竹林寺ハイク
毎年5月の初めには新入生歓迎行事として小さな山に登っています。竜王山ハイクでは、道中でアゲハやニホンカナヘビを観察しました。途中で小雨が降るハプニングもありましたが、頂上では皆でお弁当を食べながら広島大学や西条駅を含めた東広島市を見渡すことができました。竹林寺ハイクは、長引く悪天候で7月まで延期になってしまいましたが、アジサイなどの花を見ることができました。
3.昆虫・夜のいきもの探しin鏡山
7月の海の日の連休には、夜の鏡山に突撃しました。史跡があるため、一人で行くのは怖いところですが、6~7人グループで普段は見られない夜の生き物たちの姿を見ることができました。
ミヤマクワガタ、ナナフシ、キマワリ、コカマキリ、ノコギリカミキリなどの様々な昆虫や、アオガエルなどの小動物を観察できました。中でも街灯に集まり鳴き続けるセミや、建物の明かりに集まるヤモリが印象的でした。また、ナラの木に集まるカブトムシ・クワガタムシと、ハナムグリたちとが入れ替わる明け方の時間帯は、もののけ姫のラストシーンを彷彿としました。
4.農場訪問&湿地散策in福富町
5月には、牛などの家畜と触合いたいとの要望で、福富町の農場へ。ホルスタインやヤギの他、ウサギ、ミニブタに会うことができました。大きな乳牛におののきながらも牧草をあげると、ものすごい勢いで食べてくれました。
また、沼田川支流の火打坂川上流にある渓谷クロボヤ峡も訪れました。シャクナゲがきれいだと聞いていましたが、まだ時期が早く蕾が固く閉ざされていました。シャクナゲの花は見ることができませんでしたが、湿った地面にうっそうと地表を覆うように生える植物や、樹木の間を散策しました。また良い時期に訪問したいと思います。
5.ホタル観察in志和堀、広島大学
小学校や地域を中心にホタルの住める環境づくりが行われている志和堀へ、ホタル祭りに合わせてホタルを見に行きました。学校周辺の数百mにわたって、半川にチカチカと光るたくさんのホタルが見られました。
また、広島大学キャンパス内でもゲンジボタルとヘイケボタルの2種類のホタルを観察しました。
6.オオサンショウウオ観察会in豊栄町
豊栄町でのオオサンショウウオ調査には、今年は2回同行させていただきました。野生のオオサンショウウオを見るのは初めてで、80cmを越えるオオサンショウウオが引き上げられたときには、その大きさに驚きました。1回目の8月の調査では、約2時間の調査で3匹のサンショウウオが次々に捕獲され、慣れない手つきではありますが、計測と記録のお手伝いをさせていただきました。オオサンショウウオの他にも、スッポンや川魚などきれいな水系に棲む生き物を見つけられました。
7.いきもの会
メンバーの興味に合わせてレク的な活動からハイク、調査まで、色々な形で生き物を探す活動をしています。
冬の間は活動も少なくなりがちですが、来年度もオオサンショウウオの調査やそのほか様々な活動を通して生き物と関わっていきたいと思っています。
東広島の自然(2012.3)No.43 掲載