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ブログ/2013-06-17

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矢滝城山登山と祖式川の二酸化炭素

写真-1 矢滝城山頂上にて万歳三唱.jpg
写真-1 矢滝城山頂上で万歳三唱

ミーアキャットです。
 先年,石見銀山地質研究会による,島根県大田市の矢滝城山登山と祖式川から噴出する二酸化炭素の実験に参加しました。

写真-2 矢滝城山頂上までもう少し.jpg
写真-2 矢滝城山の頂上まであと少し

 矢滝城山(634m)は世界遺産石見銀山のエリアにあります。石見銀山を支配するための中世の山城の遺構のひとつで,山城の立地・形態をよく留めているそうです。
米軍が朝鮮動乱の時に通信基地として利用したそうで,山頂はかなり広く平たく整地してありました(写真-3)。
写真-3 矢滝城山頂上.jpg
写真-3 矢滝城山頂上

米軍は昭和26~36年まで駐在したそうで,建屋の基礎は残っていました(写真-4)。昔はここで,アメリカの西部劇映画がよく上映されたと会員の方から聞きました。
写真-4 米軍建屋跡。西部劇などの映画をよくやっていた.jpg
写真-4 米軍建屋跡

写真-5 矢滝城山頂上より三瓶山遠景.jpg
写真-5 山頂より三瓶山を望む

写真-6 矢滝城山頂上より沖泊を望む.jpg
写真-6 山頂より,毛利時代の銀の積み出し港・温泉津沖泊(ゆのつおきどまり)を望む

写真-7  浅利の風車.jpg
写真-7 山頂より浅利の風車を望む

 この山の地質は”デイサイト”と教えてもらいました(青白色と茶褐色の両方がありました)。

 矢滝城山の麓を流れる祖式川の”泉ケ鼻”という場所は,会員の地質専門家の方から,”角閃石安山岩”の地質からなると教えてもらいました(写真-8~9)。

写真-8 祖式川の泉ケ鼻.jpg
写真-8 泉ケ鼻

写真-9 角閃石安山岩の流理.jpg
写真-9 流理が見える角閃石安山岩だそうです

川のあちこちに,ガスの噴気孔が見られます(写真-10~11)。
写真-10 角閃石安山岩からCO2が噴出.jpg
写真-10 ガスの噴出

写真-11 角閃石安山岩からの噴気孔からCO2が噴出.jpg
写真-11 ガスの噴出

まず,ペットボトルを水で満杯にして,口元を指でふさいで噴気孔にかざします(写真-12)。指を離すと,水とガスが置換されて,ペットボトルにガスが貯まります(写真-13)。

写真-12 CO2を採取して蓋をする.jpg
写真-12 ペットボトルを噴気孔へ

写真-13 ペットボトルの上部にCO2かたまっている.jpg
写真-13 ペットボトルに入ったガス(上側)

 そのペットボトルを振ると,ガスが水に溶け込んで,ペットボトルがしぼみます(写真-14)。

写真-14 ペットボトルを振るとCO2が溶け込んで容積が減りペットボトルが潰れる.jpg
写真-14 容積が減ってしぼんだペットボトル

 つぎに火のともったろうそくにかざします。すると火が消えます。これでガスの正体が二酸化炭素であることが分かるそうです(写真-15~16)。

写真-15 CO2の入ったペットボトルを火に近づける.jpg
写真15 ろうそくにかざす

写真-16 火が消える.jpg
写真-16 火が消える

なお,この二酸化炭素が混じる祖式川の水のpHは4と,強酸性でありました。炭酸水ですね(写真-17)。

写真-17 泉ケ鼻のpHは4と強酸性.jpg
写真-17 pH=4



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