自然に親しみ、観て触れて学びながら、自然を守ろう

市民を対象とする水鳥観察会

「市民水鳥観察会」に参加して

遠部 卓・向田 勉


主 催:「東広島の野鳥と自然に親しむ会」
日 時:2007年3月11日(日)
    10:00-12:00
場 所:平岩公民館・大沢田池
参加者:約20名

「東広島の野鳥と自然に親しむ会」主催、平成18年度東広島市自然研究会行事の一つ「市民を対象とする水鳥観察会」に参加したので、当日の模様を報告する。


1. 平岩公民館 

1-1.10:00-10:15 新名俊夫 会長挨拶 今日はカモ類を中心に観察。水鳥の観察が一番簡単でバードウォッチングの基本を学ぶのに都合が良い。カモ類はオスの識別は簡単だが、メスではむつかしい。ペアでいるところを観察するとよい。

1-2.10:15-10:50 向田トシ子会員発表「冬の大沢田池で見られる水鳥たち」:参加者の予備知識を深めるために、配布された資料「大沢田池で見られるカモ類―カモ類の見分け方・雄の識別ポイント」をもとにしながら詳しい解説があった。その要点は以下のとおり。

1-2-1.カモ類(オスの特徴)
マガモ:頭は緑色、嘴は黄色、尾が少しカールしている。アヒルも尾が少しカールしているのでマガモ起源だとわかる。

カルガモ:一部留鳥、周年見られる。雌雄とも同じような色、目の上に眉斑、嘴先は黄色。カルガモが潜るのを見たことがある(新名)。

ヒドリガモ:頭頂は黄色、嘴は鉛色で先端は黒い。メスの嘴もオスと同じ色。ピーヨ・ピーヨとよく鳴く。今朝、最も多いのがこの種類。

ハシビロガモ:嘴の幅が広い。目は金色、メスも嘴が広いので識別可能。水面を滑走し、広い嘴で水を濾し取るようにして餌をとる。

コガモ:目のまわりから後頭部にかけて緑色、カモ類の中で最も小さい。尾の一部が黄色。

ホシハジロ:目は赤い、頭は茶色、体全体は白い。嘴の付け根と先端が黒い。餌のとり方が他種と異なり、潜水して摂食する。

1-2-2. その他の鳥類
カワウ:編隊で飛行;鵜飼に使われるのはカワウではなくウミウだそうだ。

カイツブリ:留鳥、潜水して魚を捕食。逃避行動でも潜水する。脚が後についているので陸上を歩くのは苦手。尾は短い。

アオサギ:大型、動きが遅い。

ダイサギ:あまり見かけないが、時々出現する。

コサギ:サギの中でも小型。足指は黄色、嘴は黒い。留鳥。

バン: 留鳥。

ミサゴ:ダイビングで魚を捕食。
年々種類数、個体数ともに少なくなっている。宅地開発、温暖化に原因があるだろう。


2.大沢田池 11:00-11:30観察会

 ときどき雪花が舞う寒さの中を大沢田池に移動、各自説明を受けながら観察を開始し、出現した種類の確認とその個体数の計数が行われた。

 カモ類としてマガモ、ヒドリガモ、ハシビロガモ、ホシハジロの4種類が確認された。そのうちヒドリガモが最も多かった。その他、カワウ、カイツブリ、アオサギ、バン、ツバメ、ツグミ、スズメ、ハシボソガラス(鉄柱に巣作り中)などの鳥類が確認された。

画像の説明
望遠鏡で観察する参加者たち


3.平岩公民館 11:30-12:00報告会

 平岩公民館に戻り、谷口昌司副会長の司会により本日の観察のとりまとめが行われた。その結果、以下に示す11種102羽の鳥類が記録された。

カモ類4種:ヒドリガモ58、マガモ17、ホシハジロ12、ハシビロガモ2、計89羽。
留鳥・その他の鳥類:アオサギ1、バン1、カワウ2、カイツブリ1、ツグミ2、スズメ2、ハシボソガラス(営巣中)2、ツバメ2、計13羽。


まとめ

 最後に、新名会長を中心として野鳥の行動・生態についての会員の観察経験が話し合われた。

 大沢田池ではカモ類は通常100羽前後が観察されるが、今日はやや少なかったこと、ツバメは最初に飛来するのはオス、雌雄をよく観察したい、東広島では2月27日に出現した記録がある(新名)ことなどが話題となった。

 和気藹々とした家族的な雰囲気の中での話し合いから、多くの知識が得られた良い勉強会であった。

 自然観察会のあと、その日のうちに参加者全員で観察のまとめをしておくことは大切なことだと思う。

(東広島市自然研究会会員)

東広島の自然(2007.12)No.39 掲載

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