見学会「世界の野生ラン」
見学会「世界の野生ラン」
福井 中庸
日程:3月9日(木)
会場:福井中庸宅
内容:野生ランの世界的コレクションの見学
参加人員:14名
らん科植物
らん科植物は,顕花植物の中で,最も進化した植物といわれ,その数約800属28,000種あるとされ,数に於いても最も多い植物といわれています。
その分布も全世界にわたり,砂漠地帯と寒帯を除いて,それぞれの地域にその地域の特質のらんが自生しています。
又らんの特徴として生息の形が大まかに分けて,地上に生育する地生らん,樹木や岩の上に育成する着生らん,それに葉緑素を持たないで他の菌類と共生している腐生らん,といった種類に分かれています。
その中で最も多い種は着生らんであります。土の上に育成すれば地中に根を延ばして土中の養分を吸収するので,他の植物と競生することになります。この競争を避けて,らん科の大部分は着生種として樹の上や岩の上に生存の場を求めて行ったのであります。
随ってこの着生種のらんは,その特徴として,乾燥に耐える為に茎や根が肥大して水分を含み,それにそなえています。
又花粉を媒介するのに昆虫を利用し,種類によると,独特な昆虫に頼っているものもあります。その為に昆虫達の進化と,らんのそれに似合った進化と言った発達をとげています。
らんの花は美しいものが多く,大きいもの,ごくごく小さなもの,或いは植物体の多様な変化といった,多様面のおもしろさが感じられます。研究して行けば興味がつきない種であります。
以上,ごく簡単にらん科植物について述べておきます。
(2006 年3月記)
ロビケティア セリーナ
フィリッピン,オーストラリア,インドネシア
花の形や大きさは様々で,小さな花の集まり
着生ラン
バンダ ルゾニカ
フィリッピンミンダナオ島産
茎の長さは150cm位
着生ラン
スピラスチリスエクアドレンシス
アンデス山脈の2000m位 草丈20cm
着生ラン
ハベナリヤ
サギソウの仲間
東南アジア ラオスの山中
撮影 地生ラン
東広島の自然(2006.12)No.38 掲載