ブログ/2014-03-05
西行法師の歌
ヌシです
前のブログ/2014-02-28の続きです。南に開いた呉市安浦町三津口(みつぐち)湾口には柏島、小熊島、馬ノ島、横島など小さな島が点在しています(写真2,3)。
湾の出口東側(グリーンピアせとうち側)には「たかとみの浦」という小さな湊があったようです(写真4、4-1矢印)。
地乗り航路の時代は潮待ち、風待ちのために使われていたようです。西行法師(1118~1190)の「山家集」ほかに書き残されています。「西行」はヌシの好きな歌人の一人です。西行法師が50歳ころの歌だそうです。わずか一首ですが、本当に嬉しい一首です。
心ざすことありて安芸の一宮へまいりけるに、
たかとみと申所に、風に吹き止められて程経にけり。
苫葺(とまふ)きたる庵より月の洩り来るを見て、
浪のおとを 心にかけて 明すかな
苫洩る月の 影を友にて
紹介したように「こころ」、「心ざす」という言葉が良いですね。「願わくば花の下にて~」も同感ですね。
このあたりは粗粒黒雲母花崗岩が分布していますので、海岸は白砂青松の風景が残っています。また、近くのゴルフ場の黒雲母から放射年代値が報告されています。8500±500万年前(中生代後期)のものとのことです。(カリウムーアルゴン法、“呉図幅”)
ちなみに隣町の東広島市安芸津町風早(写真5の左側)には、万葉集の歌として二首伝えられています。天平8年(西暦736年)だそうです。わずか二首ですが、それぞれ大切にして伝えていきたいですね。取って付けたような内容で、すみません。
コメント
- 「苫葺」=とまぶき=稲わらを薄く編んで葺いた屋根
波の音を聞きながら寝てて天井を見たら月の明かりが洩れて・・・。
「影を友にて」が、よくきいてるでがんす。ヌシさんはなかなか渋いですなー。
良い歌を教えていただきありがとうございました。ちなみに安芸の一宮は宮島のことでしょうか。
-- かやネズミ 2014-03-05 (水) 17:35:28 - 前述の町史から、厳島神社のようです。 -- ヌシです 2014-03-06 (木) 12:01:31