自然に親しみ、観て触れて学びながら、自然を守ろう

ブログ/2022-06-02

Top / ブログ / 2022-06-02

「パレオスポンディルス」の化石

―また一つミッシングリンクが繋がったようです

画像の説明
写真1 復元図 理化学研究所Webより

小ヌシです。
オオサンショウウオと関わるようになって、鰓呼吸する魚類の一部が肺呼吸を獲得しながら陸上に進化していく過程も詳しく知りたいと思うようになりました。
ちょうど三木先生の「人体 5億年の記憶」をご紹介した後に、今回そのビッグニュースが入ってきました。このタイミングは不思議です。デボン紀中期の「パレオスポンディルス」化石について、ネットのにぎやかなメディア情報などから原稿を作り、ブログアップしました。写真1

この全長5センチ程度の、分類不明で長く置かれていた2000個余りの化石から、5~6ミリの頭部が観察できそうな化石を2個探しだし、最新鋭の精密機器を使って撮影、観察、分析されたそうです。写真2

画像の説明
写真2 化石標本 理化学研究所Webより

結果にはただただ驚きです。ミッシングリンクのパズルが一つはまったような爽快感と、その分析技術の進歩には隔世の感を禁じ得ません。

以下ネットから。詳細は4億年前の謎の脊椎動物の正体解明 | 理化学研究所 (riken.jp)に。
>5月26日、理化学研究所(理研)と東京大学(東大)発表。
兵庫県にある大型放射光施設「SPring-8」のSRXμCTを用いて、中期デボン紀(約4億年前)の分類が不明だった謎の脊椎動物「パレオスポンディルス(Palaeospondylus gunni)」の化石の僅か5~6ミリの頭骨から高分解能・高コントラストの断層像が取得され、微細組織レベルまで正確に捉え、頭骨を構成していた各骨格要素の境界(関節)を断層像から、この動物が陸上脊椎動物の祖先と近縁であったことを発見した ~中略~ 詳細は、英科学誌「Nature」に掲載された。 とあります。写真3,3-1

画像の説明
写真3 頭骨の3次元モデル 理化学研究所Webより

画像の説明
写真3-1 3次元モデルの分解図 理化学研究所Webより

>パレオスポンディルスは英国スコットランドにある中期デボン紀の湖に堆積した地層から産出する化石種で、全長5cmほどの小さな動物として知られている。ヌタウナギやヤツメウナギなど、顎を持たないグループである円口類を想起させる特徴がある一方で、背骨がよく発達しており、顎を持つ脊椎動物の中の後から進化したグループによく見られる特徴も持つ、とあります。

いままで、この辺り(デボン紀)の生き物は系統図の中の魚類のエウステノプテロン・・・ティクターリク・・・・両生類?のアカントステガ、イクティオステガしか知りませんでした。
おかげさまで、今回たくさん知ることができました。ありがとうございます。写真4,5

4-003 (1).jpg
写真4 系統的位置図など 理化学研究所Webより

画像の説明
写真5 国際年代層序表2021

「ティクターリク」などは発見者のお一人のニール・シュービン氏著「ヒトの中の魚、魚の中のヒト」(2013年 垂水雄二訳 342P ハヤカワ文庫)に詳しいです。現在読書中ですが、脊椎動物の発生の記述も面白く、勉強になります。写真6

画像の説明
写真6 表紙カバー

参考:ブログ/2013-09-21(オオサンショウウオ)
  :ブログ/2013-09-24(オオサンショウウオ)
  :ブログ/2017-12-28(チュネルペトン)
  :ブログ/2022-05-17
  :デボン紀 (scotese.com)



コメント


認証コード(9969)

powered by Quick Homepage Maker 4.27
based on PukiWiki 1.4.7 License is GPL. QHM

最新の更新 RSS  Valid XHTML 1.0 Transitional